消費者金融金融ブログ ◇多重債務者、早期救済を−−道警や弁護士会など協議会
無登録で法外な利息を請求するヤミ金融業者による被害が、後を絶たない。10月には、中古車売買を装う新手のヤミ金融業者が貸金業規制法違反(無登録営業)の疑いで札幌東署に逮捕された。車の買い取り名目で金を貸し、その車を同じ客にリースしたことにしてリース料名目で利息を請求する手口。道警は取り締まりを強化しているものの、摘発を逃れようと手口は巧妙化され、イタチごっこが続いている。【田中裕之】
■法定金利の9倍
「車で即金買取」「残債多い方、ローン継続中OK」
昨年7月、岩見沢市のペットブリーダーの女性(47)は、札幌市東区の中古車販売店がスポーツ紙に出した広告に目が止まった。女性は過去に自己破産し金融機関からお金を借りることができないため、仕事の運転資金に窮していた。
早速電話したところ、応対に出た男から「金を貸すので車と車検証、鍵を持って事務所に来てください」と告げられた。
店は民家の一室。車も展示しておらず、とても販売店には見えない。店員は車をろくに見もせず「10万円で買い取ります」と売買契約書を提示し、「買い取った車はあなたに貸すので、リース料として15日ごとに1万1000円を頂きます」と説明した。
女性は不審に思ったものの、言われるままに1年以上にわたり法定金利(年29・2%)の約9倍に当たる「リース料」を払わされた。支払った総額は28万6000円に及んだ。
逮捕された店長の男(29)らはこの手口について、「知り合いの暴力団組員から車を買い取ってリースしたことにすれば貸金業にならないと教わった。高い利息を得ても摘発の対象外になると思った」と供述しているという。
■まずは相談を
道警生活経済課によると、道内のヤミ金融業者の摘発は03年に44件を記録した後、04年11件、05年23件、06年22件と推移していた。しかし、今年(9月末現在)は既に25件(前年同期比6件増)と急増している。同課は「摘発しても正規の金融機関から借りられない多重債務者の需要がある限り、ヤミ金融業者は手口を変えて生き残る。今後どういう手口が現れるか分からない」と危機感を募らせる。
札幌市豊平区の男性(70)は経営していた土建会社が倒産。生活費のため消費者金融8社から借りた計約720万円が返済できなくなって99年に自己破産した。「多重債務者は他人に言えない事情を抱えていることが多い。後ろめたさを感じているため貸手の言うがままになり、正常な感覚がなくなる」と話す。
こうした中、道警や道弁護士連合会などはヤミ金融業者を撲滅し、多重債務者を救済しようと10月、協議会を設立した。協議会は「多重債務者を早期に発見し、相談窓口に誘導して解決を図ることが、ヤミ金融業者の撲滅につながる」と指摘。公共料金の滞納者などが多重債務者に転落することが多いことから、こうした人の早期発見に努める。「まずは勇気を出して誰かに相談することが借金から抜けだす一歩になる」と訴える。
11月13日朝刊